ノンフリート等級制度と保険料のヒミツ
2016/02/21
年齢が同じで、よく事故を起こす人と一回も事故を起こした事がない人の自動車保険料が同じだと納得いきませんよね?
そうした個人の事故発生リスクに応じて保険料に差を設けるしくみが「ノンフリート等級制度」になります。ノンフリート等級は保険料の算出に一番影響する重要な指標ですので、しっかり理解しておきたいところです。
ノンフリート等級制度とは
「ノンフリート等級制度」とは、過去の事故発生に応じて被保険者(運転者)を1〜9の等級に区分して保険料に反映させる制度になります。保険料は等級1が最も高く、等級9になるに従って安くなるように設定されています。
ノンフリート等級は初めて自動車保険に加入する際に6等級からスタートになります。そして、契約期間中に無事故であると翌年に1つ等級が上がり、事故を起こしてしまうと1等級または3等級下がるように運営されています。
つまり、無事故の優良ドライバーはどんどん保険料が下がるのに対して、事故を起こしてしまうと保険料が上がる仕組みになっているのです。
source: 保険スクエアbang!
3等級ダウン事故 | ほとんどの自動車事故に適用されます。例え自損の物損事故であっても3等級ダウン事故となります。 |
1等級ダウン事故 | 盗難やいたずら、自然災害(台風、洪水など)など、被保険者の過失によらない場合が1ダウン事故となります。 |
ノーカウント事故 | 保険料の限定請求(搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険だけ)の場合や、特約だけの請求の場合はノーカウント事故とみなされます。 |
ノンフリート等級制度の事故有係数適用期間について
ノンフリート等級制度では、事故を起こしてしまうと1等級または3等級下がると説明しましたが、保険料のペナルティはそれだけではありません。
ノンフリート等級には事故の有無に応じて2つの種類があるのです。無事故であれば「無事故等級」が適用されますが、事故を起こしてしまうと「事故有等級」が適用される仕組みとなっているのです。
「事故有等級」は通常の「無事故等級」と比べて保険料の割引率が低く抑えられています。この「事故有等級」が適用される期間の事は「事故有係数適用期間」と呼ばれ、事故によりノンフリート等級が3等級ダウンする場合は3年間、1等級ダウンする場合は1年となります。もし、事故有係数適用期間中にまた事故を起こしてしまうなどした場合は最大6年まで延長されます。
1等級ダウン事故の場合、事故有係数適用期間は1年
事故有係数適用期間にさらに事故を起こすと最大6年まで
つまり、事故を起こしてしまうと、「ノンフリート等級のダウン」と「事故有等級による割引率の低下」の2つのペナルティが課されることになるのです。
3等級ダウンして翌年以降は無事故だった場合
事故により3等級ダウンして翌年以降は無事故だった場合の具体的な事例をみてみましょう。
無事故等級が18等級(-54%)のときに事故を起こしてしまうと、翌年は3等級ダウンするので事故有等級の15等級(-33%)になります。そして、翌年は無事故であれば事故有等級の16等級(-36%)になり、さらに2年目が無事故であれば事故有等級の17等級(-38%)になります。そして、3年後も無事故を継続すれば事故から4年後には、無事故等級が18等級(-54%)に復帰する事ができます。
source: 保険スクエアbang!
2台目のノンフリート等級はどうなるの?
2台目のノンフリート等級はどうなるのでしょうか?1台目と同じ等級が継承されるのでしょうか?それとも、また6等級からスタートになるのでしょうか?
2台目のノンフリート等級は、1台目の等級が11等級以上であれば、7等級からスタートする事ができます。この制度はセカンドカー割引(複数所有新規割引)と呼ばれています。優良ドライバーは車が違っても安全運転ができると推測できるので、お得な保険料からスタートできる優遇措置が取られているのです。
まとめ
ノンフリート等級制度による保険料の割引率は、自動車保険の料金に一番影響すると言われています。保険会社毎にノンフリート等級による割引率は異なっているので、各社の割引率を比較して賢く自動車保険を選びましょう。